ハラスメントに伴う法的責任

ハラスメントに伴う法的責任

中学校の教師が、女子生徒と肉体関係を伴う交際をしているとの事実が発覚しました。
この場合の法的責任はどうなりますか。

当該教師は民事・刑事上の責任を負う可能性が高いと言えます。また学校側も民事上の責任を負う可能性があります。

女子生徒と肉体関係を伴う交際をしている
教師の責任

民事上の責任
当該教師は民法709条に基づいて交際相手の生徒やその保護者に対して損害賠償責任を負う可能性があります。中学生は未成熟であるため、未成熟さに乗じて肉体関係を持ったと評価される可能性が高く、そのことが不法行為となるため、損害賠償責任を負うと考えられるのです。

刑事上の責任
【女子生徒に対し教職員が肉体関係を持つことに対する刑事上の責任】

女子生徒の年齢 暴行脅迫 金品の対価 成立する犯罪 刑罰
13歳未満 強姦 3年~20年の懲役
13歳以上 なし なし 条例違反 2年以下の懲役または100万円以下の罰金
18歳未満 なし あり 児童買春 5年以下の懲役または300万円以下の罰金
あり 強姦 3年~20年の懲役
18歳以上 あり 強姦 3年~20年の懲役

刑事責任を考えるに当たっては相手となった女子生徒の年齢が重要となります。

女子生徒が13歳未満の場合

女子生徒の年齢が13歳未満の場合には強姦罪となり、3年以上(20年以下)の懲役刑に処せられます(刑法177条後段)。この場合、女子生徒が肉体関係に同意をしていたとしても、女子生徒に暴行や脅迫を加えていなかったとしても結論は変わりません。

女子生徒が13歳以上18歳未満の場合

女子生徒の年齢が13歳以上18歳未満の場合にはさらに場合分けされます。

まず、暴行脅迫を加えて肉体関係を持ったかどうかが問われます。

暴行脅迫を加えて肉体関係を持った場合には強姦罪となります(刑法177条前段)。この場合の刑罰は,前記13歳未満の場合と同じく,3年以上(20年以下)の懲役刑です。

他方,暴行脅迫がなかった場合には金品を対価として肉体関係を持ったのかどうかが問われます。

金品を対価としなかった場合には、都道府県が定める青少年保護育成条例違反となります。東京都であれば2年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります(東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の6・24条の3)。

金品を対価として肉体関係を持った場合、いわゆる児童買春行為となり、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金となります(児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条・4条)。

女子生徒が18歳以上の場合

1.暴行脅迫を加えて肉体関係を持った場合にだけ犯罪となり(強姦罪)
2.暴行脅迫がなければ金品を対価とした場合であっても犯罪とはなりません。

学校側の責任

民事上の責任
教職員の行為が不法行為となる場合、その使用者である学校側も損害賠償責任を負うことがあります(民法715条の使用者責任)。

刑事上の責任
学校法人が刑事責任を負うことはありません。

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