懲戒処分の前提となる事実調査の留意点

教職員のハラスメント問題

懲戒処分の前提となる事実調査の留意点

ハラスメントの事実を調査する上で留意すべき点は何ですか。

当事者一方からではなく、双方から詳細に事情を聴取すること,目撃者等がいれば漏らさず事情を聴取すること、できる限り客観的な証拠(いわゆる物証)を集めることが大切です。

そこで,事実調査・確認の基本的な在り方について以下に詳しく述べます。

双方から事情を聴取することの重要性

被害を申告したからといって、その者の説明内容だけを全面的に信頼することは危険です。
人の説明には見間違いや聞き間違い、記憶違いがありますし、表現の巧拙も人それぞれです。

ハラスメントの当事者には必ず以前からの人間関係があるはずです。中には当事者が以前から交際関係にあったものの別れたという場合もあり得ますから、極端な話、別れた腹いせに、ありもしない嘘を言うことも絶対にないとは言い切れません。

被害申告者の説明だけで判断して処分を決めるということは絶対にあってはならず、ハラスメントをしたとされている者の説明も十分に聞くべきです。

事情を聴取する上での注意点

事情を聴取するに当たっては

「いつしたか」
「どこでしたか」「誰がしたか」
「誰に対してしたか」
「何をしたか」
「どのようにしたか」
を明確に把握します。

実際に起こった出来事と,内心で思ったことや感想とは,できる限り区別すべきです。
はっきり記憶している出来事と記憶が曖昧な出来事も,できる限り区別すべきです。これらを区別しないでいると,実際に起こった出来事を正確に把握することができなくなります。

事情聴取は、正確を期するためにできるだけ複数の担当者が同席した上複数回実施します。
人の説明には見間違いや聞き間違い、記憶違いといった要素があります。聴取した相手方が最初から全てを正直に説明するとは限らないので、以前の説明内容が後に変わってしまうことがあります。

聴取した内容は書面化し、聴取した日時を明記しておきます。
書面化しないと,後に言った言わないの問題が生じてしまうからです。聴取内容を録音し、書面に相手方の署名を求めておくことも大切です。署名を得ておけば,そうした事態に対処することができます。

目撃者から事情を聴取することの必要性

当事者の説明には、必ずしも全面的に信頼することができるわけではありません。説明内容を他の証拠によって検証する作業が大切です。
目撃者がいれば,その目撃者からも漏らさず事情を聴取すべきです。

目撃者への事情聴取における注意点

目撃者と当事者との関係性に注意しましょう。
目撃者が被害申告者を嫌っているとか、ハラスメントをしたとされる側を嫌っている場合も嘘の供述をする危険性があります。

目撃者が被害申告者と近しい関係にあれば、その目撃者は被害申告者寄りの説明をする危険性があります。

逆に、ハラスメントをしたとされている側と近しい関係にあれば、そちら側よりの説明をする危険性があります。

客観的な証拠(物証)を集めることの必要性

人の説明はそれだけで確実に信頼のできるものではありません。

携帯電話の発着信履歴
携帯電話やパソコンの電子メール
写真
手紙
の客観的な証拠を数多く集めるようにします。

ありがちなのはハラスメントをしたとされる側が事実関係を認め、被害申告者と同じ説明をしている場合、安心して客観的な証拠集めを怠ってしまうことですが、注意が必要です。

客観的な証拠は人の話と同様に日にちが経つと徐々に消えていってしまいます。当事者から事情を聴取する際,説明内容を裏付ける資料をできるだけ多く提出するよう求めましょう。「この資料が本件と関係があるか否か」の判断を当事者に任せてしまうと本当に大切な情報が学校側に伝わらない虞があるため、相手方と関わる資料は幅広く提出するよう求めることが大切です。

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