懲戒処分の可否・注意点-具体例に従って

懲戒処分の可否・注意点-具体例に従って

タイトル

教職員のハラスメント問題

懲戒処分の可否・注意点-具体例に従って

私立学校において,女子生徒から「担任の先生からセクハラを受けている。」という相談がありました。学校側としては当該生徒のみならず同じクラスの他の生徒からも事情を聴取したところ、当該生徒がこの教師からセクハラ被害を受けていたのが事実であると判明しました。学校側としてはこの教師を懲戒解雇としたいのですが問題はありませんか。

事実調査も手続も不十分であり、直ちに懲戒解雇とすると後々問題となりかねません。

事実調査の不足

被害申告者からの事情聴取は実施されているもののセクハラをしたとされている教師からの事情聴取は未実施で客観証拠の収集も行われていないようです。他の生徒からの事情聴取は実施されているようですが被害申告者との関係、教師との関係について十分な検証がなされているかどうかも分かりません。

この教師がクラスの女子生徒の多くから嫌われている場合、女子生徒が結託してセクハラをでっち上げるという可能性も否定はできません。生徒をむやみに疑うことは避けねばなりませんが、そうかといって十分な検証もしないままに信頼するという姿勢は禁物です。

懲戒解雇という重い処分を下すかどうかの判断は慎重になされねばならず,十分な検証が不可欠です。

手続の不足

今回のケースでは、セクハラをしたとされている教師に弁解の機会を全く与えていないようであり、この状態で懲戒解雇処分としてしまうと後々この教師から懲戒権の濫用だとして争われる虞があります。

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