累計赤字の状況下で役員からの借入金を返済することについて

累計赤字の状況下で役員からの借入金を返済することについて

タイトル

累計赤字の状況下で役員からの借入金を返済することについて

ご質問内容

1、累計赤字であるが役員に借り入れ分を返済している。
2、毎月の返済が経営を圧迫している。
3、法律で赤字の場合返済しなくても良いかを知りたい。

当事務所の回答

結論から申し上げますと、赤字の場合でも返済しなければならないと考えます
今回の契約は、親しい人からお金を借りる場合などの「出世払い契約」と同様に考えられます。
この出世払い契約の法的性格には議論がありますが、出世しない限り支払わなくてもよいと考えることは不合理です。

こうした場合、「出世するか、あるいは出世しないことが確実となったら支払う」と考えるのが通常であり、このように、将来事実が発生することは確実でも、それがいつになるか不確実なものを不確定期限付きの債務といい、事実が発生したとき、あるいは不発生であることが確実となったときに支払い義務が発生することになります(民法135条)。

過去の判例にも、出世払いを不確定期限付きの債務としたものがあります。
本件の場合もこれと同様の関係にあり、黒字にならないことが確実となっているのなら期限が到来していると評価しうるでしょう。

また、一旦、黒字になっているのですから、「黒字になった時点で返済を開始する」という期限が到来済みであるともいえます。

黒字になったときは返済し、赤字のときは返済しなくて良いという明確な合意がなされているわけでないのであれば、やはり返済しなければならないことになると考えます。
 

 

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