報告徴収、立入調査、改善命令、措置命令

報告徴収、立入調査、改善命令、措置命令

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報告徴収、立入調査、改善命令、措置命令

(1) 報告の徴収

ア 内容

廃棄物処理法第18条は、廃棄物の適正な処理を確保するため、都道府県知事等は、廃棄物の処理、施設構造・維持管理に関し、必要な報告を求めることができると規定しています。

イ 報告徴収の対象

① 排出事業者

② 廃棄物・廃棄物である疑いのある物の収集・運搬・処分を業とする者(無許可業者も含む。)

③ 廃棄物処理施設の設置者

④ 情報処理センター(電子マニフェスト情報に関する報告徴収)

⑤ 廃棄物が地下にある土地(旧最終処分場など)の土地所有者

⑥ 指定区域(廃棄物が地下にある土地で都道府県知事に指定された区域)において土地の形質変更を行う者

ウ 罰則

拒否・虚偽報告については、廃棄物処理法30条により30万円以下の罰金の対象となります。

(2) 立入検査

ア 内容

廃棄物処理法19条は、廃棄物の適正な処理を確保するため、都道府県知事等は、その職員に、廃棄物の処理、施設の構造・維持管理に関し、帳簿書類等の物件を検査させ、試験のために廃棄物を無償で収去させることができると規定しています。

イ 立入検査の対象

① 排出事業者の事務所・事業場

② 廃棄物・廃棄物である疑いのある物の収集・運搬・処分を業とする者の事務所・事業場(無許可業者による不法投棄現場、無許可設置施設を含む。)

③ 廃棄物処理施設のある土地・建物

④ 廃棄物が地下にある土地(旧最終処分場など)

ウ 罰則

拒否、妨害、忌避行為については、廃棄物処理法30条により30万円以下の罰金の対象となります。

(3)改善命令

ア 内容

廃棄物処理法第19条の3は、都道府県知事等は、産業廃棄物の処理基準又は産業廃棄物の保管基準に適合しない保管、収集・運搬や処分が行われたときは、期限を定めて、産業廃棄物の保管、収集・運搬又は処分の方法など必要な措置を行うよう命ずることができると規定しています。

イ 改善命令の対象

① 排出事業者

② 産業廃棄物処理業者

③ 国外廃棄物を輸入した者

ウ 具体例

① 産業廃棄物の保管場所における保管量が産業廃棄物処理基準に適合しないケース

② 許可を受けた保管量を超えた大量の産業廃棄物を保管していたケース

③ 敷地境界の騒音値が許可申請書に添付された維持管理計画に記載された数値を超過していたケース

エ 罰則

改善命令に違反した場合には、廃棄物処理法26条により3年以下の懲役、300万円以下の罰金又はこの併科の対象となり得ます。

(4) 措置命令

ア 内容

廃棄物処理法第19条の5は、産業廃棄物の処理基準に適合しない産業廃棄物の処分(不法投棄等)が行われた場合、都道府県知事等は、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、その支障の除去等の措置を講ずるよう命ずることができると規定しています。

イ 措置命令の対象

① 不法投棄等を行った者

② 不適正な委託により当該処分が行われたとき、その委託をした者

③ 当該処分の行程で産業廃棄物管理票に関する義務に違反した者

・管理票を交付しない者

・規定された記載事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして管理票を交付した者

・管理票の写しを送付せず、又は規定された記載事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして管理票の写しを送付した者

・管理票を回付しなかった者

・管理票又は管理票の写しを保存しなかった者

・管理票の確認事務に違反し、適切な措置を講じなかった者

・情報処理センターに登録する場合において、報告せず若しくは虚偽の報告をした者又は虚偽の登録をした者並びに確認義務に違反し、適切な措置を講じなかった者

当該処分に関与した者(規定に違反する行為をすることを要求し、依頼し、若しくは唆し、又はこれらの者が不適正処分等をすることを助けた者)

ウ 排出事業者と措置命令

廃棄物処理法第19条の6は、措置命令の対象者に資力等がなく支障の除去が困難であり、排出事業者が適正な処理料金を負担していないとき、及び不適正処理が行われることを知っていた、又は知ることができたときは、委託契約書や管理票の取扱いが適正な排出事業者であっても、措置命令の対象となると定めています。

このように排出事業者であっても措置命令の対象となる場合がありますから十分注意が必要です。

エ 具体例

① 保管基準を超過して産業廃棄物を積替保管施設に長期間放置して危険な状態に達していたケース

※措置命令が出されるか、それとも改善命令が出されるかの違いは、具体的な危険が発生しているかどうかによることになります。

オ 罰則

措置命令に違反した場合には、廃棄物処理法25条により5年以下の懲役、1000万円以下の罰金又はこの併科の対象となり得ます。

 
 
 

 

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