会社破産
タイトル
経営者から再建のご相談をお受けした場合、私たち弁護士は経営者とともに再建に向けて全力を尽くします。 しかしながら、現実には、ご相談のタイミングが遅く、既に再建が困難と言わざるを得ないケースも存在します。
いざと言う時のための最終手段として、経営者には「破産」についても知っておいて頂きたいと思います。
破産とは、破産法に基づき、裁判所の関与のもと、会社を清算する法的手続です。 破産手続開始決定の時点で債務者が負う債務を確定し、他方で、債務者が有する財産を処分して現金化し、その金銭を法律に従って債権者に配当します。
いざと言う時のための最終手段として、経営者には「破産」についても知っておいて頂きたいと思います。
破産とは、破産法に基づき、裁判所の関与のもと、会社を清算する法的手続です。 破産手続開始決定の時点で債務者が負う債務を確定し、他方で、債務者が有する財産を処分して現金化し、その金銭を法律に従って債権者に配当します。
会社破産のメリット
弁護士が破産手続を受任した場合、直ちに債権者に受任通知を発送します。
貸金業法において、貸金業を営む者に対し、弁護士が介入した旨の通知を受ける場合には、債務者に債務の弁済を直接要求することを禁じていますので、弁護士が受任通知を発送することにより、通常、経営者やご家族への直接の請求、取立は止まります。
また、貸金業法による規制は及びませんが、一般の取引先についても、弁護士を窓口とすることにより、直接やりとりをすることを避けることができます。
貸金業法において、貸金業を営む者に対し、弁護士が介入した旨の通知を受ける場合には、債務者に債務の弁済を直接要求することを禁じていますので、弁護士が受任通知を発送することにより、通常、経営者やご家族への直接の請求、取立は止まります。
また、貸金業法による規制は及びませんが、一般の取引先についても、弁護士を窓口とすることにより、直接やりとりをすることを避けることができます。
破産手続は、会社の債務を確定し、他方で債務者の有する資産を処分して現金化し、その金銭を債権者間で公平に配当していく手続ですので、原則として、会社が有する資産以上に債務を返済する必要はなくなり、債務返済の負担がなくなります。
そして、経営する会社が破産しても、経営者の皆様、ご家族、会社の従業員の生活自体はその後も続いていきますが、破産手続においては、従業員の給料や退職金などの労働債権を先に確保するなどして、従業員等に最低限配慮することができます。さらに、会社が破産手続を執ることにより、債権者としては貸金等を税務上損金として処理することができます。
そして、経営する会社が破産しても、経営者の皆様、ご家族、会社の従業員の生活自体はその後も続いていきますが、破産手続においては、従業員の給料や退職金などの労働債権を先に確保するなどして、従業員等に最低限配慮することができます。さらに、会社が破産手続を執ることにより、債権者としては貸金等を税務上損金として処理することができます。
会社破産のデメリット
法人の場合、破産手続開始決定と同時に、経営者は会社の財産管理処分権を失い、従業員も全員失職することになりますので、経営者や従業員の経済的基盤を失うことになります。
また、経営者が会社の債務につき個人として保証をしている場合、経営者自身が会社の債務を負ってしまうことになるため、経営者も同時に破産手続をとらざるを得ない場合があります。そして、経営者自身が破産をしてしまうと、一定期間、金融機関から借入を受けることは困難になります。
もっとも、経営者は、経済的信用に傷がつき、一定期間、金融機関から借入を受けることが困難になると言っても、会社法上、破産が取締役の欠格事由から除外されましたので、再度の起業ができなくなるということはありません。
また、経営者が会社の債務につき個人として保証をしている場合、経営者自身が会社の債務を負ってしまうことになるため、経営者も同時に破産手続をとらざるを得ない場合があります。そして、経営者自身が破産をしてしまうと、一定期間、金融機関から借入を受けることは困難になります。
もっとも、経営者は、経済的信用に傷がつき、一定期間、金融機関から借入を受けることが困難になると言っても、会社法上、破産が取締役の欠格事由から除外されましたので、再度の起業ができなくなるということはありません。
当事務所のスタンス
経営者から再建のご相談をお受けした場合、私たち弁護士は経営者とともに再建に向けて全力を尽くします。
しかしながら、債務を大幅に圧縮しても会社の再建が不可能な場合や会社の経営に不可欠な資産の担保実行を免れない場合等、状況によっては再建が困難である場合もあります。そのような場合は、断腸の思いではありますが、会社の清算を検討することも経営者の責任であり、私たち弁護士の責任でもあると考えます。
やむを得ず破産申立てをするとしても、会社と代表者の申立費用を確保したり、従業員のへの未払賃金を確保したり、取引先へのご迷惑を最小限にとどめるために、申立時期を見極めつつ適切に処理するためにも、専門家である弁護士と十分協議しながら進めるべきです。
逆に、経営者ご自身のご判断で既に破産しかないとお考えの場合でも、もしかしたら、思っているほど事態は深刻ではなく、債権者との話合いによる私的再建や、民事再生の手続が可能かもしれません。
様々な事情により、債務超過等に陥ってしまった場合は、一刻も早く弁護士に相談することをお勧めします。
しかしながら、債務を大幅に圧縮しても会社の再建が不可能な場合や会社の経営に不可欠な資産の担保実行を免れない場合等、状況によっては再建が困難である場合もあります。そのような場合は、断腸の思いではありますが、会社の清算を検討することも経営者の責任であり、私たち弁護士の責任でもあると考えます。
やむを得ず破産申立てをするとしても、会社と代表者の申立費用を確保したり、従業員のへの未払賃金を確保したり、取引先へのご迷惑を最小限にとどめるために、申立時期を見極めつつ適切に処理するためにも、専門家である弁護士と十分協議しながら進めるべきです。
逆に、経営者ご自身のご判断で既に破産しかないとお考えの場合でも、もしかしたら、思っているほど事態は深刻ではなく、債権者との話合いによる私的再建や、民事再生の手続が可能かもしれません。
様々な事情により、債務超過等に陥ってしまった場合は、一刻も早く弁護士に相談することをお勧めします。
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