自社は対象か:適用判断の3ステップ

自社は対象か:適用判断の3ステップ

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自社は対象か:適用判断の3ステップ

取適法が適用されるかは、①取引の内容と、②当事者の規模(資本金基準又は従業員基準)の組合せで決まります。次の順に確認してください。

ステップ1:取引の内容が5つの類型のいずれかに当たるか

類型 典型例
製造委託 販売する製品・部品の製造、それらの製造に用いる金型・木型・治具等の製造の委託
修理委託 顧客から請け負った修理の委託、自社で業として行っている自社設備の修理の一部の委託
情報成果物作成委託 顧客に提供する、又は顧客から作成を請け負ったプログラム・映像・デザイン・設計図・報告書等の作成の委託。自社で使用する成果物は、自社でも業として作成している場合の外注に限り対象
役務提供委託 顧客に提供するサービス(運送、保管、ビルメンテナンス等)の全部又は一部の再委託
特定運送委託(新設) 販売・製造・修理した物品を、取引の相手方(その指定先を含む)へ運送することの委託

次の3点に注意してください。

  • 自社が使う役務(自社オフィスの清掃、自社のための弁護士・会計士への依頼など)の委託は、役務提供委託に当たりません(公取委Q&A Q32)。
  • 自社で作成する能力がなく、業として作成していない成果物の外注(例:自社ホームページの一部の外注)は、情報成果物作成委託に当たりません(Q28・Q43)。
  • 建設工事の下請負には適用されません。ただし建設業者でも、建設資材の製造委託や設計図の作成委託は対象になり得ます(Q5)。自社拠点間の運送は、原則として特定運送委託に当たりません(Q38)。

ステップ2:資本金基準に当たるか

取引の種類 委託事業者 中小受託事業者
製造委託・修理委託・特定運送委託、情報成果物作成委託(プログラム)、役務提供委託(運送・倉庫保管・情報処理) 資本金3億円超 資本金3億円以下(個人を含む)
同上 資本金1千万円超3億円以下 資本金1千万円以下(個人を含む)
上記以外の情報成果物作成委託・役務提供委託 資本金5千万円超 資本金5千万円以下(個人を含む)
同上 資本金1千万円超5千万円以下 資本金1千万円以下(個人を含む)

ステップ3:資本金基準に当たらない場合、従業員基準に当たるか

従業員基準は、資本金基準が適用されない場合に適用されます(改正法2条8項5号・6号)。

取引の種類 委託事業者 中小受託事業者
製造委託・修理委託・特定運送委託、情報成果物作成委託(プログラム)、役務提供委託(運送・倉庫保管・情報処理) 常時使用する従業員300人超の法人 常時使用する従業員300人以下(個人を含む)
上記以外の情報成果物作成委託・役務提供委託 常時使用する従業員100人超の法人 常時使用する従業員100人以下(個人を含む)

「常時使用する従業員」の数え方

  • 賃金台帳の調製対象となる労働者の数で数えます。正社員に限らず、契約社員、パートタイマー、アルバイト、1か月を超えて引き続き使用される日雇い労働者も含みます。派遣社員は派遣先では数えません。
  • グループ会社の従業員は合算しません(事業者単位で判断。Q7)。
  • 判断時点は「製造委託等をした時点」です。発注後に人数が増減しても、その発注への適用の有無は変わりません(Q10・Q11)。
  • 前々月に賃金を支払った労働者の数(前月末までに賃金台帳で把握できる数)を、当月の発注時の人数として扱うことも認められています(Q12)。

委託事業者に、取引先の従業員数を確認する法的義務はありません(Q13)。ただし、取引先の誤った回答により違反が生じた場合でも、是正のため指導・助言を受けることはあります(直ちに勧告を行うものではない、とされています。Q14)。基準付近の取引先については、見積依頼書にチェック欄を設けるなど、記録に残る方法で確認しておくのが実務上安全です(Q15)。

資本金のない法人も対象になり得る:医療法人・学校法人・社会福祉法人など

公取委は、資本金勘定のない法人について、貸借対照表上の指定正味財産等の「固定的な財産」を「資本金の額又は出資の総額」として扱うとしています。公益法人、社会福祉法人、学校法人等も同様です。さらに、常時使用する従業員数が基準を超えれば、従業員基準によっても委託事業者となり得ます(Q2)。

ここでいう「固定的な財産」とは、事業に供される資本としてある程度固定的に把握できるものをいい(Q2)、総資産額や純資産額と単純に一致するものではありません。法人の種類ごとの会計基準・会計区分を踏まえて、何が該当するかを個別に確認する必要があります。職員数の多い病院・大学などは、従業員基準に該当する可能性が高いといえます。

親子会社間の取引、商社が間に入る取引

  • 親会社と議決権50%超の子会社との取引など、実質的に同一企業内の取引とみられるものは、運用上問題とされていません(Q3)。
  • 商社が発注内容に関与せず、事務手続を代行しているだけなら、発注者が委託事業者です。商社経由の支払が期日に遅れれば、発注者の支払遅延となります(Q1・Q79)。
  • 実質的な業務を行わない、いわゆる「中抜き」業者の介在は、減額・買いたたき等の違反を誘発しやすいとして、公取委が注意を促しています(Q31)。

 

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