会社法改正による取締役の報酬等に関する規律の変更点を教えてください。

会社法改正による取締役の報酬等に関する規律の変更点を教えてください。

会社法改正による取締役の報酬等に関する規律の変更点を教えてください。

 

Q 会社法改正に関する会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱(以下「要綱」といいます。)は、取締役の報酬等に関する規律を見直すこととしていると聞きました。

具体的には、どのような事項を見直すとされているのでしょうか?

 

A 要綱が定める取締役の報酬等に関する規律の見直しの主な内容は以下のとおりです。

 

  • 報酬等の決定方針の決定義務化
  • 金銭でない報酬等に係る株主総会の決議による定め
  • 取締役の報酬等である株式および新株予約権に関する特則
  • 情報開示の充実

 

以上の見直し内容の中には、今後法務省令で詳細が定められるものや、株主総会における説明が必要となるほか、株主総会参考書類にも記載する必要があるものが含まれていますので、その対応方法を検討する際には一度弁護士によるチェックを受けることをお勧めいたします。

以下は上記1ないし4の概要です。

 

1.報酬等の決定方針の決定義務化

要綱第2部第1・1(1)は、㋐監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第24条第1項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの、および、㋑監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の会社法第361条第1項に規定する報酬等の内容として定款または株主総会の決議による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項(以下「報酬等の決定方針」といいます。)を決定しなければならないものとしています(ただし、株主総会決議等で個人別の報酬等の内容が直接定められている場合は除きます。)。

報酬等の決定方針の内容は法務省令で定められることになります。

 

また、上記の決定方針の決定義務化に伴い、要綱第2部第1・1(1)注1は、現行法では、額が確定していない報酬等および金銭でない報酬等についてのみ株主総会において当該事項を「相当とする理由」を説明しなければならないとしている会社法第361条4項を改定し、額が確定している報酬等についても当該事項を「相当とする理由」を説明しなければならないものとしています。

 

2.金銭でない報酬等に係る株主総会の決議による定め

要綱第2部第1・1(2)は、金銭でない報酬等に関する会社法第361条第1項第3号を改め、次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定めるものとしています。

  • 報酬等のうち当該株式会社の株式または当該株式の取得に要する資金に充てるための金銭については、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類および種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項
  • 報酬等のうち当該株式会社の新株予約権または当該新株予約権の取得に要する資金に充てるための金銭については、当該新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項
  • 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の株式および新株予約権を除く。)については、その具体的な内容

 

3.取締役の報酬等である株式および新株予約権に関する特則

(1)要綱第2部第1・1(3)①は、金融商品取引所(金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所をいう。)に上場されている株式を発行している株式会社(以下「上場会社」という。)は、定款または株主総会の決議による要綱第2部第1・1(2)アに掲げる事項についての定めに従いその発行する株式またはその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、会社法第199条第1項第2号および第4号に掲げる事項を定めることを要しないものとしています。そして、この場合において、上場会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならないものとします。

  • 募集株式と引き換えにする出資の履行(会社法第208条第3項に規定する出資の履行をいう。)を要しない旨
  • 募集株式を割り当てる日(以下「割当日」という。)

 

(2)要綱第2部第1・1(3)②は、上場会社は、定款または株主総会の決議による要綱第2部第1・1(2)イに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第236条第1項第2号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しないものとしています。そして、この場合において、上場会社は、次の掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならないものとします。

  • 当該新株予約権の行使に際してする出資を要しない旨
  • 定款または株主総会の決議による要綱第2部第1・1(2)イに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨

 

(3)要綱第2部第1・1(3)③は、定款または株主総会の決議による要綱第2部第1・1(2)アまたはイに掲げる事項についての定めに基づく株式の発行により資本金または準備金として計上すべき額については、法務省令で定めるものとしています。

 

4.情報開示の充実

要綱第2部第1・1(4)は、会社役員の報酬等に関する次に掲げる事項について、公開会社における事業報告による情報開示に関する規定の充実を図るものとしています。

具体的な開示事項は以下のとおりです。

  • 報酬等の決定方針に関する事項
  • 報酬等についての株主総会の決議に関する事項
  • 取締役会の決議による報酬等の決定の委任に関する事項
  • 業績連動報酬等に関する事項
  • 職務執行の対価として株式会社が交付した株式または新株予約権等に関する事項
  • 報酬等の種類ごとの総額

 

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