採用のポイント(1)

第9 採用のポイント(1)
~在留資格確認が先決 パスポート・在留カードで~

【質問】

当社では、これまで日本人のみを雇用してきたが、今後は国際化に対応するため外国人も積極的に採用していきたいと考えている。外国人を雇用する際にまず確認すべきポイントや必要な手続は何か?

【回答】

1 外国人に本邦内で働いてもらうには、その外国人が就労可能な在留資格を有していることが必要である。

就労可能な在留資格を持たずに働くと不法就労となり、その外国人だけでなく雇用主も3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処される可能性がある。外国人を雇用する場合には、うっかりしているうちに法律違反を犯すことにもなりかねないので十分に注意が必要である。

2 日本在住の外国人を採用する場合

(1) 日本在住の外国人を採用する場合には、パスポートか外国人登録証を見て、当該外国人が就労可能な在留資格を有しているかを確認する。パスポートには証印(在留資格の種類と期限が記載されたシール)が添付されており、外国人登録証にも同内容が記載されているからいずれかを見れば判別できる。

新たな在留管理制度が平成24年7月14日までの間の政令で定める日から施行され、在留カード制度がスタートする。在留カードには、在留資格、在留期間および在留期間の満了日、許可の種類及び年月日、就労制限の有無、資格外活動許可を受けているときはその内容、期間等の必要事項がすべて記載されているので、在留カードを確認すれば足りることになる。

(2) 在留資格「永住者」、「日本人の配偶者等」等の場合
雇用したい外国人の在留資格が「永住者」、「定住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の場合、これらの在留資格には仕事内容や時間の制限が無いので、日本人のと同様に雇用できる。但し、在留資格「永住者」以外は在留資格に期限があるので、期限が徒過していないことを確認する必要がある。

(3) 就労が可能な在留資格がある場合
雇用予定の外国人が現在、別の会社に勤務していて、「日本人の配偶者等」などに該当しない場合は、既に「人文知識・国際業務」、「技術」、「技能」、「企業内転勤」等の就労可能な在留資格を持っているものと考えられる。

この場合もまず、現実に当該在留資格を保有しているか、期限がいつまでかをパスポートや外国人登録証(新たな在留管理制度スタート後は在留カード)で確認し、その外国人が既に持っている在留資格や職務経歴と、自社で当該外国人に行わせようと考えている業務内容が合致しているかどうかをチェックする。

合致していると考えられる場合には、現在の在留資格の期限が経過して、自社の社員として更新する際の手続きを円滑に行えるようにするため、就労資格証明書を取得しておくと便宜である。

一方、当該外国人の在留資格で行える業務の範囲や職務経歴と、今後の仕事内容が異なる場合には、在留資格を変更する必要がある。その際には、変更できるだけの学歴や職務経歴を持っている等の要件を充足しているか事前によく確認する必要がある。

(4) 「短期滞在」の在留資格の場合
「短期滞在」の在留資格で本邦に入国している場合に、本邦において就労するには新たに就労可能な在留資格を取得する必要がある。雇用予定の外国人の学歴や職歴、雇用する会社の業務内容や財務状況等の要件を満たせば、一定の手続きを経て就労可能な在留資格への変更は可能である。

但し、短期滞在の期限は最長でも90日で、その有効期限内に変更する必要があるが、在留資格の変更は通常1~3ヶ月程度はかかるので、できるだけ速やかに手続きを行う必要がある。間に合わない場合には、不法滞在にならないように、一度、本邦外に出国し、許可取得後に再度、本邦に入国するようにしなければならない。

(5) 就労できない在留資格の場合
「留学」、「家族滞在」、「文化活動」等の在留資格で本邦に滞在している外国人は、フルタイムで就労することはできない。但し、この場合でも資格外活動許可を取得すれば、定められた範囲の時間(概ね週28時間程度)を限度として就労することは可能であり、アルバイトやパート等であれば採用できる。

フルタイムで雇用したいときは、就労可能な在留資格へと変更する必要がある。また、本邦の大学等に在学している留学生を新卒で採用するために内定を出した場合には、卒業する数ヶ月前から就労可能な在留資格への変更申請が可能である。

(6) ワーキングホリデーで入国している外国人を雇用する場合
我が国は、現在、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、デンマーク、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾、香港とワーキングホリデーに関する協定を締結している。

これらの国の18歳~30歳までの外国人は、本邦で最長1年間(オーストラリアは期間延長が可能)休暇を過ごしながら、その間の滞在費を補うために本邦において就労することができる。この場合には業務の内容に制限はない。

雇用主がワーキングホリデー終了後に、当該外国人を継続して雇用する場合には、就労可能な在留資格に変更する必要がある。しかし、ワーキングホリデーを利用して入国している外国人は、年齢が若くて大学を未だ卒業していなかったり、勤務経験がなかったり等で在留資格の要件を満たさない場合も見受けられる。

したがって、ワーキングホリデー終了後も引き続き働いて雇用する場合には、事前に在留資格の要件を満たしているかどうか慎重に確認する必要がある。

入管法・外国人労務の関連ページ

取扱分野

ご相談のご予約はこちらから

MINATO Law Office 湊総合法律事務所

〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1
有楽町電気ビルヂング北館12階1213区

03-3216-8021※受付時間 9:00〜18:00

でのお問い合わせはこちらから