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遅刻・忘れ物が多い

Q.私立学校において、遅刻や忘れ物が多く、校長が注意をしても改まらない教職員を解雇しようと考えています。留意すべき点は何ですか。

A.認められにくいでしょう。
ここで問題となっているのは懲戒解雇ではなく、「雇用契約・労働契約の解約(いわゆる普通解雇)」です。

この場合、留意点は大きく分けて2つあります。

 

1 手続を遵守すること

(1) 就業規則の確認・遵守
企業だけでなく学校にも就業規則等があり、その中にはどういった場合に解雇されるかという条項があるはずですので、まず、その条項がどのように規定しているかを確認します。

多くの場合「勤務実績が不良」であるとか「心身の故障のため職務遂行に著しい支障がある」といった具体的な条項が列挙された後「その他これらに準ずる場合」などとして包括的な条項が定められています。問題行動が具体的な条項には該当しないとしてもこの包括的な条項に該当すると考えられます。


(2) 学内規程の確認・遵守
学校によっては解雇するための詳細な手続(例えば問題教職員に告知・弁明の機会を与えるなど)が学内規程に定められている場合がありますので、それを確認し遵守します。もし仮に告知・弁明の機会を与えるといった定めがない場合であっても、後々の紛争を避けるためには告知・弁明の機会を持つことが大切です。

 

2 労働契約法16条の条件を満たすこと

就業規則に定められた解雇事由に該当するとしても、さらに、労働契約法16条の条件を満たす必要があります。

すなわち、労働契約法16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社 会通念上相当と認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めているため、今回の事例でも、当該教師を解雇するには

① 客観的に合理的な理由と
② 社会通念上の相当性とが要求されます。

どのような場合に客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が認められるか というのはケース・バイ・ケースですが、一言でいうと、指導・教育だけでなく、他部署への配置転換等、考えられる手段を尽くしても改善せず、他に手段がないといえる場合に、ようやく①②が認められると考えられています。

学校の教職員についていえば、当該教師が未だ若年で、教師としての経験が浅い場合、能力が低いのはある意味やむを得ない部分がありますので、上司が教育や訓練を尽くしても改善しないという状況でなければ、①②を満たしているとはいえません。