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目次

 

1.廃棄物と有価物の差異(廃棄物処理法の適用の有無)

2.産業廃棄物と一般廃棄物の差異(排出事業者責任の有無)

3.排出事業者とは?

4.排出事業者「責任」とは?


1 有価物と廃棄物の差異

廃棄物とは?

 

不要物(要らない物)のこと(2条1項)である。自ら利用しないため不要となった物、又は他人に有償で譲渡できないために不要となった物と定義されている。(例) ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体

・不要「物」→固形物 液状物(気体含まず)

※但し、放射性物質・同汚染物含まず

不要物か否かの判断

現実には、判断が難しい物もある。屎尿でも肥料になるから有価物なのか?事業所全体のPCを廃棄する等した場合の古PCは有価物なのか?それらの判断の際には、最高裁のおから判決は最重要!

 

不要物か有価物かの判断

おから判決(平成11年3月10日判決)

(事案の概要)

①無許可で

②おからの処理を受託   おからは食べ物

③お金をもらって     →∴ 有価物であり

④おからを収集・運搬し    不要物ではない?

⑤飼料等を製造した 

(最高裁の判断)

不要物かどうかは、

① その物の性状

② 排出の状況

③ 通常の取扱い形態

④ 取引価値の有無

⑤ 事業者の意思等

を総合的に勘案して決するとしている。

最高裁はどう判断したか?

確かに、③取引価値の有無から、食用などとして有償で取引されて利用されているため、有価物とも考えられるが、

①物の性状

・非常に腐敗しやすい

②排出の状況

・豆腐製造業者によって大量に排出されている

③通常の取扱い形態

・大部分は無償で牧畜業者に引き渡されたり有料で廃棄物処理業者にその処理が委託されている

上記のため、本件おからは不要物であり、産業廃棄物に該当すると判決を下した。

この判例から、

① 現実に有償で取引されている物でも

② その物の性状・排出の状況・通常の取扱い形態などの事情によっては

③ 有価物でなく不要物(廃棄物)と扱われ

④ 廃棄物処理法の厳格な規制を受ける可能性がある

と判断することが出来る。


2 産業廃棄物と一般廃棄物の差異

産業廃棄物と一般廃棄物

 

一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物である。最大の差異は、産業廃棄物は排出事業者が責任を持つのに対して、一般廃棄物→市町村が責任を持つことにある。このいずれに分類されるかが極めて重要である。


産業廃棄物とは?

 

①事業活動に伴って生じたものかつ、②燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、その他政令で定めるもの20種類(2条4項1号)と定められている。

具体的に産業廃棄物とは?

① 業種指定なし → 当然に産廃

燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、陶磁器、くず、鉱さい、廃プラスチック類、瓦礫類

② 業種指定あり →指定業種排出で産廃

紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物の糞尿、動物の死体、煤じん、動物系固形不要物、処理物

非指定業種排出→事業系一般廃棄物!


一般廃棄物と産業廃棄物の関係


3 排出事業者とは?

産業廃棄物の処理責任

排出事業者処理責任原則

 

① 事業者は

② その事業活動に伴って生じた廃棄物を

③ 自らの責任において

④ 適正に処理しなければならない

(3条1項)


排出事業者とは?

 

排出事業者とは、その廃棄物を排出する仕事を支配・管理している事業者を指す。


建設業の特殊性

 

甲野太郎・建物オーナー

   ↓ 発注

元請け A建設

   ↓ 下請

下請け B土建 = 取り壊し 収集運搬


(問題点)

排出事業者は、甲野か? A建設か? B土建か?

フジコー判決 VS 2010年改正法

オーナーが排出者?→生活系一般廃棄物

しかし、膨大な廃棄物を市町村が責任→不当

フジコー高裁判決

→下請負人B土建が事業者

∴下請負人は自主運搬・処分について許可不要

2010年改正法

→元請負人A建設が事業者

∴元請負人が下請負人に委託・下請負人は処理業許可必要


4 排出事業者「責任」とは?

事業者による処理責任とは?

 

事業者はその産業廃棄物を自ら処理しなければならないと定められている。

① 排出事業者が自ら収集運搬・保管・処分

② 処理業者に委託して収集運搬・保管・処分


廃棄物の処理とは?

 

廃棄物処理の基準

 (共通基準)

① 飛散・流出しない

② 悪臭・騒音・振動を出さない

③ 生活環境の保全上支障を生ずるおそれのないように必要な措置を講ずる

これらに保管基準・中間処理基準・埋立基準が加わって行く。


事業者による処理

 

原則 通常は処理業を営むには許可が必要

例外 自らその産業廃棄物を処理する場合(事業活動性がない場合)

①処理業許可、②産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付は不要だが、③産業廃棄物処理基準の遵守は必要である。(12条1項)


処理業者に委託して処理

 

① 委託基準に従う(委託契約は必須)

② マニュフェストを正しく使用する

より詳細に説明すると、

・ 優良な許可業者と標準契約

・ 委託毎にマニュフェストを正しく使用

・ しっかり委託先を確認しに行く

・ 適正な料金をキチンと支払う

上記の基準を満たすことが重要となる。


排出事業者の重い責任

 

書面により委託契約書を交わさなかっただけで、「懲役3年 または 罰金300万円」になる可能性があり、

責任の重さは違反のケースによって異なる。