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第12 一般募集と派遣受入れ

【質問】

当社では、この度、初めて外国人を正社員として採用しようと考えているがどのようにすれば良いか。また、場合によっては派遣業者等から外国人労働者を派遣してもらうことも考えているがどのようなことに注意すれば良いか。

【回答】

①日本国内にいる外国人を採用する場合は、公共職業安定所その他有料職業紹介事業を利用する。
 ②あっせん業者に外国人を紹介してもらう場合は、無許可あっせん業者が横行しており、ピンハネ等されることがあるので十分注意が必要である。

【解説】

1 日本国内にいる外国人を雇用する場合

公共職業安定所では、日本国内で就労資格を有する外国人に対して、その在留資格に応じた職業紹介を行っており、雇用を希望する事業者に対してもサービスを行っている。

 主要なハローワークでは外国語通訳まで配置されている。詳細は、厚生労働省のホームページにアクセスして、ハローワークインターネットサービスからハローワークの場所や連絡先を調べていただきたい。

 東京と大阪には、留学生や専門的・技術的職業に就く外国人の職業紹介を専門的に行っている外国人雇用サービスセンターが設置されている。また、職業安定法が改正され、港湾運送業務に就く職業及び建設業務に就く職業、その他労働者の保護に支障を及ぼすおそれがあるものとして厚生労働省令で定める職業を除くすべての職業について有料職業紹介事業を行うことも可能となったので、こちらも利用していただきたい。

2 派遣会社から外国人を派遣してもらう場合

(1)労働者派遣契約
 外国人を自社(派遣先事業者)に派遣社員として受け入れて稼働してもらうためには、派遣元事業者との間で労働者派遣契約を締結する必要がある。

 労働者派遣契約とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先事業者の指揮命令を受けて、この派遣先事業者のために労働に従事させる契約のことを言う。

 労働者派遣契約には、以下の3つの要素が必要となる。
  ①派遣元事業者と派遣労働者との間で雇用契約が締結されていること
  ②派遣元事業者と派遣先事業者との間に労働者派遣契約が締結され、同契約に基づいて派遣元事業者が派遣先事業者に労働者を派遣していること
  ③派遣先事業者は派遣元事業者から委託された指揮命令の権限に基づいて、派遣労働者を指揮命令していること

 (2)自社(派遣先事業者)が確認すべき点
 外国人を受け入れる際には、自社(派遣先事業者)は、以下の諸点は最低限確認した上で、労働者派遣契約を締結することが重要である。
  ① 派遣元事業者が一般労働者派遣事業の許可を取得しているか、又は特定労働者派遣事業の届出を行っているか。
  ② 外国人が派遣元事業者に常勤職員として雇用される者であるか、派遣先事業者、派遣期間、予定職務が確定しているか(派遣元事業者と外国人との雇用契約書を提出させて確認する)。
  ③ 外国人のパスポート、外国人登録証明書等に記載されている在留資格と派遣先事業者で予定している予定職務が合致しているか。

 (3)労働者派遣を受け入れられる事業
 労働者派遣事業は、港湾運送業務、建設業務、警備業務及び医療関係業務以外について業務を行うことが可能であり、平成15年3月28日施行の施行令・規則改正により社会福祉施設における業務も派遣可能になった。

 このように労働者派遣については労働者派遣法上の規制があるが、実際には禁じられている建設業に対して、外国人を派遣してもらう要請が高く、労働者派遣法による制約を免れるために、業務請負や業務委託の名目で外国人を受け入れていることが見受けられる。これらは偽装請負と言われ、労働者派遣事業あるいは職業安定法によって禁止されている労働者供給事業となるので注意が必要である。

 (4)オーバーステイの派遣従業員がいた場合
 派遣先事業者の従業員がオーバーステイであることが発覚した場合、派遣先事業者がその事実を知ったにも関わらず当該外国人を働かせていたという場合には、派遣先事業者は不法就労助長罪に問われる恐れがある。これは当該外国人を直接雇用していたか否かは関係ないので、特に注意が必要である。

3 無許可あっせん業者の横行

我が国では公共職業安定所や法律に基づく許可を受けた職業紹介、労働者供給、労働者派遣業者以外の者が仕事のあっせんをすることは認められていない。

 しかし、現実には外国人労働者のあっせんや派遣を不法に行っている業者が横行している。そして、このような無許可あっせん業者は、高額のあっせん料を要求したり、賃金を不当にピンハネすることも多いので注意が必要である。

 また、近時外国にいる日系人労働者をあっせんする業者も増加している。しかし、現在、公共職業安定所においても、民間事業者においても、外国にいる外国人労働者の職業紹介は行っておらず、外国の労働者に関して日本国内で合法的にあっせんを行う業者は存在しない。ブラジルのサンパウロ市に主に日系人を対象とする日伯雇用サービスセンターが設置されているのが唯一の例外である。

 民間業者にあっせんを依頼する場合には多くのトラブルが発生しているので、トラブル防止のため、許可証の提示を求める等して適法に紹介事業を行っていることをよく確認することが肝要である。