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第7 研修・技能実習制度(2)~保証金徴収を禁止へ 契約書で条項の有無確認~

在留資格「技能実習1号イ」(企業単独型)にいう「本邦の公私の機関の外国にある事業所」とは、在留資格「企業内転勤」にいう「本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所」と同じ意味であり、本邦の公私の機関の海外支店並びに外国の親会社、子会社、孫会社及び関連会社が該当する。現地法人や合弁企業も含まれるので、これらについても技能実習生の受入れが可能である。

 次に、在留資格「企業内転勤」においては、同一法人内の異動であるから改めて雇用契約を締結する必要はないが、現地法人等の子会社・関連会社等から本邦内の公私の機関へ転勤する場合は、出向とされるのが通常であることから、出向先において新たに雇用契約を締結する必要がある。

 雇用契約の形態については、技能実習生が海外の所属機関との雇用契約を維持しながら本邦の実習実施機関に出向し、当該実習実施機関とも雇用契約を締結する在籍出向と、海外の所属機関に将来復職することを条件に海外の所属機関との雇用関係を終了させた上で、本邦の実習実施機関と雇用契約を締結する移籍出向が考えられる。

 団体監理型の技能実習生の受け入れ 

従来は、受け入れ団体による監理は、入国1年目の研修に対してのみ実施されてきたが、改正法施行後は、1年目だけでなく2年目以降の技能実習についても監理を行わねばならないこととされた。

 監理団体は、技能実習生を受け入れて講習を行って、その後に実習実施機関における技能等修得活動の監理を行うことを業務とする。したがって、技能実習生を受け入れるに際して、監理団体は、技能実習生、送り出し機関及び実習実施機関の適格性の有無を確認しなければならず、例えば、監理団体が技能実習生の選定に関与せずして、送り出し機関と実習実施機関との間のみの判断で技能実習生を選定して受け入れを行うようなことはしてはならない。

 また、監理団体が、監理費用を実習実施機関等から徴収する場合には、技能実習生を受け入れる以前にその金額及び使途を明示し、技能実習生に直接又は間接に負担させてはならない。そして、実習実施機関等に対して技能実習生1名当たりの負担を求める金額を月単位又は年単位で明示し、使途の内訳を在留資格認定証明書交付申請等の提出書類に明示すべきとされている。具体的な様式については入国管理局で定めているので参照されたい。

 次に、今回の研修・技能実習制度の見直しにより、技能実習生の入国後1年目から、技能実習生と実習実施機関との間で雇用契約を締結することとされたことから、このような雇用関係の成立の斡旋を行う監理団体は、職業安定法等に規定する職業紹介事業業の許可等が必要となる。

 また、実習実施機関において技能実習生が人権侵害を受けている等の場合には、技能実習生は、実習実施機関の技能実習指導員等に相談できないことがあり得ることから、監理団体が技能実習生を保護・支援し得るようにするため、監理団体が技能実習生からの相談に対応する体制を構築すべしとされている。

 従来は、技能実習生の帰国旅費を技能実習生本人に負担させる例もあったが、技能実習生の帰国に支障がないようにするため、監理団体又は実習実施機関が帰国旅費の全額を負担しなければならないこととなった。

技能実習生からの保証金徴収等の不当な取り決め

従来、送り出し機関等が、研修生の失踪を防止すること等を名目として、研修生から高額な保証金を徴収するという事案が認められてきた。そして、この保証金が研修生の経済的負担となり、研修の時間外作業や不法就労を助長するという悪弊となっているケースもあったことから、入管法改正に伴って技能実習生から保証金を徴収すること等を禁止することとした。

 また、送り出し機関が、技能実習生の配偶者、直系又は同居の親族、技能実習生と社会生活において密接な関係を有する者(友人や職場の上司等)から保証金等を徴収することも禁止することとしている。

 さらに、技能実習生が失踪した際に監理団体等が送り出し機関に違約金を請求するケースもあり、そのことが送り出し機関が技能実習生から高額な保証金を徴収する原因にもなっていたことから、送り出し機関と監理団体の間など機関相互間で、技能実習生の労働契約の不履行に係る違約金を定める契約等を締結することも禁止された。

 送り出し機関が保証金を技能実習生等から徴収しているかどうかは、在留資格認定証明書交付申請を行う際等に、送り出し機関と技能実習生との間の契約書の提出させて、保証金の徴収の条項等の有無を確認することとしている。

 また、在留資格認定証明書交付申請書を作成する際に、申請人である技能実習生又は申請代理人である監理団体若しくは実習実施機関の職員が保証金の徴収の有無を記載するよう求めており、監理団体や実習実施機関にも送り出し機関による保証金徴収等の不当な取決めの有無を確認してもらう扱いとしている。
 
 送り出し機関と技能実習生との契約書の中に保証金徴収等の不当な条項が認められた際には、在留資格認定証明書交付申請は不交付とされ、その後は、当該送り出し機関からの技能実習生は慎重審査の対象とされることになる。

 また、この送り出し機関又はその経営者若しくは管理者が偽造文書や変造文書を作成し提出した場合には、当該送り出し機関が関与する技能実習生の受入れは一定期間認められないというペナルティを受けることになるから注意が必要である