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第6 研修・技能実習制度(1)~技能実習期間に一本化 1年目から労働法令適用~

今回の入管法の改正に際しては、外国人研修・技能実習制度についても大きく見直されたので、企業や団体の労務担当者はこれらを十分に理解しておく必要がある。

1 研修・技能実習制度はなぜ見直しが図られたのか

我が国は、開発途上国に技能・技術・知識(以下「技能等」という)を移転し、これにより国際協力を実現すること等を目的として、外国人に対する研修・技能実習制度を設けてきた。

 研修生や実習生の数は年々増加し、平成20年には19万人超にまで達した。しかし、このような受け入れの増加に伴って、受入機関の中には、研修や技能修得をさせるという目的を逸脱して、単に労働力不足を補うために利用し、あるいは、低賃金労働者として扱うものが相当数出現する結果となった。

 このような現実を踏まえ、研修生・技能実習生の保護の強化を図るため,入管法改正に際して、新たに「技能実習」に関する在留資格を整備することとした。

2 制度改正の要点は何か

従来は、研修のために来日した外国人は、当初は在留資格「研修」を与えられ、その後、継続して技能実習を行う場合は、在留資格「特定活動」に変更することとしていた。

 新制度では、研修のために来日した外国人は、当初から「研修」ではなく、「技能実習」の在留資格が与えられることになり、技能実習を行う外国人は、技能実習の開始から終了まで最長3年間にわたり、一貫して「技能実習」の在留資格により活動することができることになった。これに伴い、「研修期間」と「技能実習期間」の区別もなくなり、いずれも「技能実習期間」となる。また「実務研修」「非実務研修」という用語もなくなり、実務研修は「技能実習」等と呼び、非実務研修は「講習」と呼ぶこととなった。

 そして、実務に従事しながらの研修は、従来の制度における「研修期間」であっても、受入機関と技能実習生との間で雇用契約の締結が義務づけられ、労働関係法令が適用されることとなる。その結果、「研修」の在留期間に労働関係法令が適用されないという問題も解消され、技能実習生の保護が図られることとなった。

3「技能実習」に関する在留資格はどのような内容なのか

「技能実習」に関する在留資格については、技能等の修得レベルと受け入れ形態をそれぞれ2つずつに分類し、合計4つの組み合わせ(下記aイ、aロ、bイ、bロ)により管理することとしている。

(1) 技能等の修得レベルによる分類

a 「講習による知識習得活動」及び「雇用契約に基づく技能等修得活動」(技能実習1号)

 b 技能実習1号の活動に従事し、技能等を修得した者がさらにその技能に習熟するため、雇用契約に基づいて、修得した技能等を要する業務に従事する活動(技能実習2号)

(2) 受け入れ形態による分類

イ 海外にある合弁企業など、受入機関との事業上の関係を有する企業の社員を受け入れて行う活動(技能実習イ・企業単独型)
 
 ロ 営利を目的としない団体(商工会など)の責任及び監理の下で行う活動(技能実習ロ・団体監理型)

4 技能実習2号への移行、その他の注意点

前述した「技能実習(2号)」の在留資格によって在留するためには、「技能実習(1号)」の在留資格によって在留していた者が、「技能実習(2号)」に変更許可を受けなければならない。上陸審査において、初めから「技能実習(2号)」の在留資格で上陸許可を受けることはできない。また、「技能実習(2号)」の在留資格に移行する場合には、技能検定基礎2級等の検定試験に合格する必要がある。

 技能実習1号については、職種には制限はなく、日本で受け入れなければ行い得ない実習であることが求められるだけであるが、技能実習2号については、長期間の研修を行わなければ実践的な技能等が身に付かない職種にだけ在留が許可され、本稿執筆時点では66種類が認められ、それ以外は技能実習2号への変更は認められないことに注意が必要である