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第5 特別永住者~簡易な証明書を交付 利便性向上へ見直しを図る~

我が国に在留する外国人の中でも特別永住者は就労制限がなく、基本的に日本国民と同様に就労できるので、会社や団体において特別永住者を雇用することは十分にあり得る。したがって、労務担当者は特別永住者に関する制度改正についても十分理解しておく必要がある。

1 特別永住者に対する管理制度はどのように改正されたか

従来は、特別永住者には、外国人登録法のもとで外国人登録証明書を交付して管理を行ってきた。外国人登録証明書は、特別永住者の法的地位等を証明するものとして重要な役割を果たしてきたが、今般、新たな在留管理制度が構築されるに伴い、外国人登録法が廃止され、外国人登録証明書も廃止されることになった。

 新制度のもとで特別永住者の在留管理をどのように行うか議論もなされたが、特別永住者は日本国に対する定着性が強く、今回の入管法改正の対象とされた中長期在留者に比して、外国人登録制度や在留管理制度上の問題もそれほど指摘されなかった。

 そこで、特別永住者については、入管法改正に際しても現行制度を実質的に維持しながら、特別永住者の利便性を向上させようとの観点から見直しを行うこととなり、外国人登録証明書に代わる証明書として、法務大臣が特別永住者に対し、特別永住者証明書を交付して管理を行うこととした。

 このように、新入管法において、中長期在留者に対して在留カードを交付して管理するのと異なり、特別永住者に対しては永住者証明書が発行して行うことになるので注意が必要である。

2 特別永住者証明書の記載事項は何か

特別永住者証明書の記載事項に関しては、記載事項を必要最小限とし、特別永住者の便宜に資すべしとの観点から、従来の外国人登録証明書の記載事項のうち、①国籍の属する国における住所又は居所、②出生地、③旅券番号、旅券発行の年月日、④世帯主の氏名、世帯主との続柄、⑤署名などは記載しないこととした。

 その結果、特別永住者証明書の記載事項は、①氏名・生年月日・性別・国籍の属する国又は入管法第2条第5号ロに規定する地域、②住居地、③特別永住者証明書の番号・交付年月日・有効期間の満了の日となり、そのほか写真が表示されることになっている。

 また、特別永住者証明書には、写真が表示され、ICチップが付せられている。そして、ICチップには特別永住者証明書の券面に記載された事項の全部又は一部が記録されることになっているが、それ以外の情報は記録されない。

 労務担当者としては、例えば従業員が氏に変更があった場合や、住居地に変更があったことを把握した場合には、永住者証明書の記載事項の変更の届出をするよう促すよう心がけて頂きたい。

3 特別永住者証明書の交付場所はどこか

特別永住者証明書は、外国人登録証明書と同様に市区町村で交付するが、入管特例法第5条の特別永住許可に伴う場合には、地方入国管理局において交付することになる。

4 特別永住者証明書の有効期間

外国人登録証明書と同様、特別永住者証明書の交付を受けてから7回目の誕生日までである(16歳未満の者については16歳の誕生日まで)。

5 外国人登録証明書はすぐに特別永住者証明書に変更すべきか

すでに交付されている外国人登録証明書は、直ちに特別永住者証明書に換える必要はなく、改正入管特例法の施行期日(平成24年7月頃の予定)において、特別永住者が外国人登録証明書を所持しているときは、当該外国人登録証明書を特別永住者証明書とみなす扱いとしている。

 その有効期限については、特別永住者に従来より加重な負担を負わせないという見地に立って、原則として、旧外国人登録法に基づく次回確認(切替)申請期間の始期であるその者の誕生日までとした。

 もっとも、施行期日から3年以内に旧外国人登録法に基づく確認(切替)期間が到来する者については、施行期日から3年以内に切替えれば良いことになっている。特別永住者が希望して申請すれば、特別永住者証明書への切替えをすることも可能である。

6 特別永住者証明書は常時携帯しなければならないのか

特別永住者証明書は常時携帯する必要はないが、入管職員等から特別永住者証明書の提示を求められた際には、保管場所まで同行するなどして提示する必要が生ずることはあり得る。これは、改正入管法が施行されてから適用になるので(平成24年7月頃の予定)、それまでは外国人登録証明書の携帯が必要である。労務担当者は、従業員にこの点をよく説明しておく必要があろう。

7 特別永住者に関し再入国許可制度はどのように見直されたか

新たな在留管理制度の導入に伴い、みなし再入国許可制度が導入されたが、この制度は特別永住者についても適用される。そして、特別永住者の我が国に対する定着性の強さに鑑み、その要件は中長期在留者等より緩和された。

 すなわち、特別永住者については、有効な旅券と特別永住者証明書を所持する外国人で出国の日から2年以内に再入国する場合には、原則として再入国許可許可を受ける必要はない。ただし、在留期間の満了日が出国の日から1年を経過する前に到来する場合には、在留期間の満了日までである。

 しかし、2年の期間を超えて出国する予定がある特別永住者は、従前どおり再入国許可を受けて出国しなければならない。その場合の再入国許可の有効期間は6年とされている。以上の他に、再入国の許可を受けなければならない場合については、今後法務省令で定めることとなっている。

 なお、再入国許可を受けずに、みなし再入国許可により出国した場合、在外の日本大使館等で、再入国の許可の有効期間を海外で延長することはできない。また、特別永住者の出国期間が2年を超えたときは在留資格が失われることになるので、出国している期間が2年を超えることが予想される場合は、従前どおり再入国許可を受けて出国する必要があるので、十分に注意する必要がある。