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相殺を利用した債権回収

取引先が売掛金を任意に支払ってくれない場合であっても、相殺制度を利用することで、簡単かつ確実に債権回収したのと同じ効果を得ることができます。
(1)相殺とは
相殺とは、当事者2名、お互いに同じ種類の債権債務を持っている場合に、一方の当事者の意思表示だけで債権債務を対当額(同額)で消滅させることをいいます。

(2)相殺の利用
たとえば、当社がA社に対して500万円の売掛金債権を持ち、逆に、当社がA社に対して300万円の買掛金債務を負担しているとき(下の図①の状態になります)、それぞれの債務を相互に支払うよりも、300万円の限度で精算して、A社から当社に対して200万円だけを支払わせる方が便宜であり、当社としてもA社から300万円を実質的に回収したことになります(下の図②の状態になります)。このように、相殺は一方的な意思表示だけで簡単かつ確実に債権回収をすることができる方法です。
相殺を行うためには、①同じ種類の債権をお互いに有しており、②双方の債権が弁済期にあること、が必要となります。
図①

                   
図②



(3)相殺の方法
相殺を確実に行うには、①双方の債権を特定して、②共通する金額で相殺する旨を、③配達証明付内容証明郵便で通知することが大切です。
また、取引先との間で、あらかじめ特定の条件や期限を指定して「相殺予約」を結んでおけば、取引先に対する債権が差押えを受けたなどの条件成就ないし期限到来時点で、何らの意思表示をすることなく直ちに債権回収をすることもできます。


債権回収(ケース別)に関する目次

1. 電話督促、内容証明郵便 2. 支払い合意書・仮処分申立 3.約束手形の利用
4. 相殺を利用したケース 5. 債権譲渡を利用したケース 6. 訴訟による債権回収
7. 取引先倒産の場合 8. 取引先が破産手続きを開始 9.  取引先が民事再生手続
10. 取引先が会社更生手続 11. 弁護士に依頼するメリット① 12.弁護士に依頼するメリット②

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